2013年6月25日火曜日

福音と福音書

なんとなんと、前投稿記事から10日以上経ってしまいました。
GWがあったとは言え、少し間延びしてしまいましたね。
お久し振り、タカ牧師です。

今回はKJGの第6章、The Gospel in the Gospels?
と言うタイトルの章を紹介するわけですが、この本最初から「福音」と言うキリスト教に関係している人なら(特にクリスチャンなら)自明と思っていることを正面から問題にしているわけです。
そもそも私たちが知って(体験して)いる「福音」とは本当の意味での、つまり初代教会が伝えてきた「福音」なのか・・・。

で、今回は「福音書」と言うことですが、ご存知ですか?新約聖書には四つの福音書がありますが、それらには別に「福音書」と言う名前はもともと付いていないんです。
多分、文書化されてまもなく「誰々による福音」と呼ばれるようになっただけで、《ジャンル》として「福音書」があったわけではないんですね。
確かにマルコの福音書には冒頭に「福音」と出てきますが、他の三つには出てきません。
しかしこれら四つの福音書は、2世紀の初め頃までには「正典的福音書」として初代教会で読まれるようになっていたようです。

現在研究者たちが大体こうだろうと想像している四つの福音書の関係は以下のようになります。
①マルコの福音書が最初に書かれた。
②マルコを下敷きにして、マタイ、ルカがそれぞれ独自の資料を付け足して福音書を著した。
③先行する三つの福音書とはかなり視点の異なる、しかしある程度マルコを意識してヨハネ福音書が編まれた。

さて問題はこれら新約聖書の最初の四つの本がなぜ「福音」と呼ばれるのか、と言うことです。
それはこれら四つの福音(書)が、
the Gospels are about Jesus, they tell the Story of Jesus, and everything in them is about Jesus. (p.82.)
だからです。

マクナイト教授は「福音」と「四福音書」の関連をこんな風に章の前半で解説しています。(あっタカ牧師が付け足した少し余計な説明も入っていますので、あしからず。)

後半では、Ⅰコリント15章3-5節の『使徒的福音』の三つのテーマ、「死、埋葬、復活」「聖書に従って」「私たちの罪のために」を分析視点として福音書の内容を検証しています。
それによると、
the four Gospels are extensive commentaries on 1 Corinthians 15 or the apostolic gospel tradition. (p.90.)

と言うわけで、著作年代としては紀元50年代半ば頃と思われるⅠコリントと、早くて70年前後かそれ以降と想定される四福音書の間には、神学的内容から見てしっかりとした関連性がある、とマクナイト教授は見ています。

簡単ですが第6章の紹介はこの辺にしておきましょう。

ではまた次回。

Originally Posted on 2012 May 15 by タカ牧師

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