今日は「キング・ジーザス・ゴスペル」の第三章を少し紹介します。
第三章のタイトルは、From Story To Salvation(「ストーリーから救いへ」)となっています。
いきなり「福音」とはそもそも何であったか、について解説する前に「救いの文化」に育まれてきた私たちの頭を整理するために、全体として福音が内包する四つの要素に分解します。
①イスラエル/聖書のストーリー
②イエスのストーリー
③救いの計画
④説得方法
既に「救いの文化(サルベーション・カルチャー)」でも触れましたが、問題はこの四つの要素がどう組み合わされているかと言う問題なのです。
(※実は昨日この記事を作成していたのですが、投稿したら以下の図表以降がすっぽり消えてしまい、やり直ししなければなくなりました。どうやら複数画像の表示が関係しているのかも、と思いこの修正版では画像は一つだけになりました。残念。)
この図表で説明しましょう。(実際の本では色もグラデーションもありませんので、こっちの方が豪華です。)
本来なら、このような均整の取れたバランスで四つの要素が組み合わされていたらいいのですが、①イスラエル/聖書のストーリー、②イエスのストーリー、よりも、③救いの計画、④説得方法、の方に重点が来ちゃうことがあるのですね。
それが以前ご紹介した「救いの文化(サルベーション・カルチャー)」が抱えている問題だと思うのです。
ここで一つの「福音」例を紹介します。伝道メッセージのような形を取っている例です。
私たちは正しい神さまの喜ばれないことをしています。これを罪と言います。嘘をついたり、けんかしたり、人を憎んだりして、たくさんの罪を犯したので、自分の罪の罰を受けないといけません。…これは教会学校の教材として作られたものです。子供向けに簡単になっていますが、ポイントは大人が聞く「救いの文化」的伝道メッセージと殆んど変わらないと思います。
でも私たちを造られた神さまはあなたや私のことをとっても愛しておられるので、罪の罰から救われる方法を用意されました。それがイエスさまです。
イエスさまは神さまのひとり子、つまり、神さまです。天国におられましたが、人間となって地球に来てくださいました。…しかし、イエスさまは神さまなので罪は何一つ犯しませんでした。その罪のないイエスさまだけが、あなたや私の罪の罰を代わりに受けることができました。…
神さまはイエスさまを、私たちを罪の罰から救う救い主として与えてくださったのです。だから、自分に罪があるのが分かって、イエスさまがその罪のために死んでくださったことと、よみがえられたことを信じるなら、すべての罪は赦され、天国に行くことのできる永遠のいのちをもらうことができます。聖書には「御子を信じる者は永遠のいのちを持つ」ヨハネ3:36。…イエスさまをあなたの救い主と信じるなら、あなたの罪の罰はすべて赦されて、天国へ行くことができるようになります。…(強調は筆者)
どうでしょう、これが「福音」の提示だとすると、「イエスのストーリー」はどこにあるでしょうか。
確かに「イエス様が死んでくださった」ことは言っていますが、福音書にあるような「イエスのストーリー」は殆んど影も形もありません。
「イスラエルのストーリー」に至ってはゼロと言っていいでしょう。
では「救いの計画」はどうでしょう。確かに神様の救いは「愛」に基礎を置いていること、そのために「御子イエス」を下さったこと、を語っていますがそれは殆んど「罪の罰から救われる方法」として説かれています。
つまりこのような福音提示は④番目の「説得方法」から構成されたもので、上のような図表で表すとすれば、逆三角形ピラミッド型になってしまい、基礎となる①と②は余りにも貧弱で上物である③と④を支持できないほどになっていませんか。
マ クナイト教授は「救いの文化」の福音がどのようなものになってしまったか、四つの要素に分解しそれらがどんな関係になっているかを示して問題提起していま す。私たちは「福音」をストーリーとして聞くことなく、ただただ個人的救いを得るための方法として聞いてきたのではないでしょうか。
では私たちはどうすべきでしょうか。
マクナイト教授は新約聖書に戻って、そこでは福音がどのように語られているかを注意深く見てみることを提案しています。
次回は第四章「パウロの使徒的福音」から少しご紹介します。
Originally Posted at 2012 Apr 01 by タカ牧師
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